ご利用者様の声
周りのサポートのおかげで、自分がやりたいことをやらせてもらっています。
2021年8月6日(金曜日)
今回は株式会社K-BIT様に入社された南森町卒業のSさんに、就職活動から職場定着支援までのミライエの関わり方などお伺いしました。
知人の紹介でミライエに出会い、一般枠から障がい者枠での就職活動を決めました。
K-BITさんよりも以前はどのようなお仕事をされていたのですか?
K-BITに入る前に転職を2回繰り返しておりまして、新卒では金融機関である農協に勤めておりました。
そこを4年と2ヶ月で退職いたしまして、そのあと鉄工所で約5年半働いておりました。
その後、倉庫で8ヶ月働いており、2年前の5月ですかね、倉庫の会社を退職した直後に、知人の紹介でミライエに通うことになりました。
そうなんですね!「こういう場所があるよ」と教えてもらった感じですか?
そうですね。
「こういうところがあんねんけれど、一回のぞいてきたら?」って提案で始まって。前職を辞めてから相当コンディションは落としておりまして。
元から障がい(自閉症スペクトラム)は持っていたんですけど、次に就職するときは最初から障がい者枠でいこうと。それを前提とした就職活動を進めていきました。
前職を辞めてコンディションが落ちていたとの事ですが、何かあったんでしょうか?
前の職場では突発的な仕事が入ることが多くあり、むしろ突発的なことがなければ会社が成り立たないっていうぐらいの不安定ぶりでして…。
あとは周囲の人間関係も、最初に入った時点から高いレベルのことを要求されていました。
僕の障がいの特性といたしましては、短期記憶の苦手さからくる状況に応じた仕事の進め方とか、他人とのコミュニケーションの計り方っていうところで、一気に自分の悪い特性っていうところが出てしまって、それが重なってコンディションを落としていったという感じです。
前職にいた時は一日でも早くこの会社抜け出したいっていう気持ちでいっぱいで。
といっても、僕も家庭を持っていて、そう簡単に辞めるというわけにはいかない状況ではありました。
そもそも前職に入ったのも、次男が生まれて家内に負担をかけさすのもどうかなという理由で転職したわけなんですけれども、入ったところがそういうところでした。
辛い状況だったんですね…。今までは一般枠の採用で入っていたんですか?
便宜上、さらっとだけは伝えていたんですですけれども、条件等に関しては他の方々と変わらないポジションで勤めていました。
なので、配慮というよりも、むしろあくまで障がいをオープンとせずして、こういうちょっと苦手なところを抱えこんでいるから「こういう風に工夫していくことで周囲とうまくやっていけます」っていうことをアピールしながら働いていたという感じです。
しんどかった時期もありましたが、ただ、前職を辞める最後の一年間は自分に任せられる仕事というのがあって、他の仕事に関しても目を向く余裕っていうのがでてきて、 他の人と遜色なく安定して働くことはできていました。
再就職のため、ミライエに通所しながらExcelのエキスパートの合格を目指しました。
一般雇用でずっと働いてこられたわけですが、再就職するにあたってのお悩みなどありましたか?
先ほども申し上げた通り、今度転職するときには、障がい者枠でいこうと思っていました。
一般枠で入って、コンディションを落としていってしまうっていう悪循環には自分もなりたくなかったし、そういうリスクは避けた方がいいと言うスタッフさんのご提案もありつつ。
悩みとは別の考え方かもしれないんですが、就職を目指すにあたって、資格を取ろうということで、「Excelのエキスパートの合格を目指していきましょう」と提案いただいて、通所中はその勉強に当てておりました。
通所してから2〜3ヶ月の間は自分でExcelの勉強しながら、 そこから先は就職活動って感じで進めていきました。
ミライエで面接の対策をして経験値を上げていきました。
資格勉強されてから就職活動を進められたとの事ですが、具体的にはどのように進められましたか?
7月か8月ぐらいですかね、 障がい者枠での求人を見つつ、職場見学もさせていただいていました。
また、3日間を分けてとかで職場体験などもさせてもらっていました。
就労までのステップアップの道のりとして、まずはMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)の資格を取ること。
次にミライエで面接、模擬面接を重ねながら企業に応募するっていうことを繰り返していきましたかね。自分の中で心掛けたのは、「おそらく数十社は落ちるやろうな」っていう設定で進めていって。
ただ、面接を重ねていくことで強みと弱みっていうのが分かっていったり、自分の伝えるべきポイントっていうのを抑えながら説明できるようになっていったり、現場の場数を踏んで、経験値を上げていったっていう感じです。
けっこういろいろ分析しながら進めていったんですね。ちなみに、何社ぐらい受けられたんですか?
僕も結構「緊張しい」なところがあるんで、 現場で回数を重ねていくことによって、慣らしていくっていうこともやっていきました。
応募は最低でも15社ぐらいはしたと思います。 もちろん書類選考で落ちたのも含めて。
業種で言うと事務系が多かったです。 パソコンを使ったプログラミング系であったりとか、 あとは、まさに僕が今働いている管理部門での総務・庶務系統で応募していました。
最初は不安があったけれど、今は自分の意志や意見を伝えることができています。
今まで一般枠でのお仕事だと思うんですけど、 オープン枠に入るにあたって、何か不安とか、どうなんだろうって疑問に思うこととかってありました?
うーん…
正直なところ、条件が劣るなというのはありました。
例えば雇用形態であったり、金銭面の問題であったり、福利厚生の面であったりっていうところで。
会社もどういう人物か見極めようっていうところで、そういったことなんでしょうけど。例え正社員雇用を前提としてでも、その期間中っていうのは今以上の生活が望めるのかっていう不安はありました。
そんな中、K-BIT様に入社されたと思うのですが、そのような不安など最初はありましたか?
もう申し分のないほど、この上なく毎日楽しく働いておりまして、担当の中西さんらがいる前で、堂々と言いたかったんですけど、もう僕の方から辞めるというのは、よほどのことがない限りまずないです!(笑)
そんなに!(笑)よほどマッチングが上手くいったんでしょうか?
ですね、はい。
まずコミュニケーションのツールはチャットがあって、ちょっと口では言いにくいこととかも、自分の意志や意見が伝えやすい。
また、そうすることによってコミュニケーションの距離が保たれる、自分のなかで考える余裕ができるっていうのも安定就労に繋がっているのかな、なんて思ったりします。
また、組織全体として自分の希望した事をやらせてもらえている事。あと、常時役員との距離が近いっていうこともコミュニケーションが活発化されている要因のひとつだと思います。
距離感ってすごく大事ですよね。今でもそのような感じが続いているのでしょうか?
僕の方からは、特定の方に対してカミングアウトっていうのはしていないんですけど、おそらく僕の上司の方々の計らいで、最初の時と比べたら変わったなあと思うことはありまして。
例えば色んな部署の方々の端々の言葉を捉えるなら、「Sさんにとって定例化された業務でやっていけるように」とか、「こういうときにこういった対応が来たから、こうしてから、あとで伝えて来てほしい」とか、あらかじめゴールっていうのを説明したうえで話を進めていってて、そういった面で自分の事を配慮してくれはっているんだなという意志が伝わってきてます。
会社の雰囲気変えるのってすごい大変なことなので、そうしてもらえると嬉しいですよね。
そうですね。
あるとき別の部署の方に食事にいったとき仰っていたのが、
「ここの会社は人のいいところを見つけていくっていうスタンスだから、例え障がいっていうのを持っていたとしても、業務をする上でそれがトリガーとなって悪い風に考えるっていうことはことさらない。
そういうところで難を抱えてて、たまたまそれが際立っているだけの話であって、 そこを今度はいい面で捉えたうえで、どう人を動かしていくかっていうところがうちの組織の在り方だ。」
っていうことを聞いたときは、嬉しかったですし、同時に潜在能力っていうのをいかようにして引き出すかっていうのを重んじてるなっていう印象は感じられました。
ミライエのアドバイスが入社の後押しに。
障がい者雇用での再就職と言う点ですが、お悩みは解決出来ましたか?
当時はもう一社受けていまして、僕はもう一方を第一志望にしていたんです。
K-BITでは障害者枠として採用するのは会社が始まって以来ほぼ初めての出来事やと。
正直、分からないことが多すぎて何から始めていいのかっていう状態だったそうで。なので、僕の方からこういうところで難を抱えてるから、こうして欲しいっていうのを提示して欲しいって。
それは会社の率直なお願いとして今は捉えているんですけど、最初聞いたときはそういったほぼ前例がない中での採用で、入った後にどうされるんかなっていう不安はありました。以前と同じ状態になったらどうしようっていう不安です。
そんな中でミライエのスタッフさんに面談していただき、ここは実績もあるし、安定してる企業っていうところで推薦をいただきました。悩みを聞いてくださり、確かその面談でK-BITに「入ります」って返事をして。
後から聞いたんですが、ちょうどK-BITも僕とあともう一人でどっちにしようかっていうところで天秤をかけている状態だったそうです。
周りのサポートがあり、今は自分がやりたいことをやらせてもらえています。
お互い様々な事で悩んでいたんですね。だからこそ、思いの擦り合わせが出来たのが上手にマッチング出来たのかもしれませんね。
周りのサポートを受けられることのおかげだと思ってます。
自分がやりたいことをやらせてもらえてるっていうのもそうだし、業務を自分自身でうまくコントロールできてるっていうのもです。
本当におかげで、いいご縁に恵まれました。
ありがとうございます!インタビューは以上になります。これからも頑張ってくださいね。
こちらこそありがとうございました。