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スタッフブログ

2025.02.14

【天王寺駅前】翻訳講座を実施しました🖊

こんにちは。ミライエ天王寺駅前のスタッフです。

いつもスタッフブログを読んでいただき、ありがとうございます。

さて、今回はミライエ天王寺駅前で実施しました翻訳講座について紹介したいと思います。

この講座では、「翻訳とは何か」について考え、実際に翻訳作業を体験しました。

「翻訳と言えば、まずは外国語ができないといけない」と思うのが自然ですが、今回の講座はなんと外国語ができなくても良い内容となっていました。

「どういうことなのか?」このブログで紹介したいと思います。

 

                      

 

翻訳とは何か?

 

「翻訳」と聞くと、どのようなことが思い浮かんできますでしょうか?

 

「ある言語の言葉や表現を別の言語に置き換える」ということをイメージされる方がいらっしゃるかもしれません。

 

「言葉を置き換えるだけでは翻訳は成り立たない。両言語の文化的背景を考慮して、

自然な表現になるように工夫しないといけない」と答える方もいらっしゃると思います。

 

実際はどうでしょうか?

 

例えば、英語の「Good morning」という朝の挨拶を例として挙げたいと思います。

 

この表現を日本語に訳すために言葉だけ置き換えると、「良い(good)朝(morning)」になります。

しかし、日本では「良い朝」という表現が朝の挨拶として使われていないため、不自然になってしまいます。

日本の文化的背景を考慮して翻訳しようと思えば、もちろん「おはようございます」と訳すことのほうが自然です。

 

ですが、「おはようございます」という訳語は「Good morning」の意味を100%正確に伝えられていますでしょうか?

朝の挨拶としては間違いありませんが、

英語の表現と日本語の表現に込められている意味のニュアンスはそれぞれ異なっています。

英語の「Good morning」は、「良い朝」と言っていますが、その由来は「良い朝をお過ごしください」という表現からきています。つまり、英語圏の人は「良い朝を過ごせますように」という願いを込めて朝の挨拶をしているということがわかります。

 

一方で、日本語の「おはようございます」の由来は「早いですね」という表現だと言われています。

つまり、日本では「おはようございます」と言う時は、「朝早い時間からの活動お疲れ様です」というメッセージが込められていることがわかります。

 

「Good morning」を「おはようございます」と訳すことによって、「良い朝をお過ごしください」というメッセージが失われ、「早いですね」という新しい意味が加わることになります。

 

上記のような、一見シンプルな例でも、深掘りするとかなり奥深くて、難しいことがわかります。

しかし、これは異なった言語の間の翻訳に限ったことではなく、同じ言語を話している人同士の間でも生じることなのです。

 

話す側がある意味を伝えようとして発した言葉と、その言葉を聞いた聞き手が捉えた意味とははたして同じものだと言えるのでしょうか?

 

自分の考えや感じたことを人に伝えたい時に使う言葉は、言いたいことを全て正確に表わしていますでしょうか?

 

特に複雑な感情を抱いている時に「うまく言えないが・・・」と言葉に詰まることがあります。

「言いたかったのはそういうことではない、そういう意味ではない」と誤解が生じることもあります。

逆に、相手が何を伝えようとしているのかわからない時もあるかもしれません。

 

つまり、私たちが言葉で伝えようとしていることが、相手に私たちの意図通りに伝わるとは限りません。

 

例えば、「犬」という言葉を会話の中で使う時に、同じ日本語を話す人同士であれば、どの動物を指している言葉なのかについて共通の認識を持っています。しかし、犬のイメージは人によって異なっています。

 

犬はとても可愛い動物だというイメージを持っているAさんが「犬」と言った時に、Bさんはもし過去に犬に噛まれた経験があって、「犬が怖い」と思っている人であれば、Aさんとは違うイメージが思い浮かびます。

 

話し手のイメージ ➤ 発した言葉 ➤ 受け手のイメージ

 

                     ➤  ➤ 

 

Aさんは「可愛い動物」をイメージして、「犬」という言葉を発してBさんにメッセージを伝えましたが、Bさんはそれを聞いて「怖い動物」を思い浮かべました。

 

この例のように、私たちの心の中の世界はみんな異なっているため、必死に言葉で伝えようとしますが、うまく伝わらず、誤解が生じる場合もあります。

 

そのため、相手に少しでも正確に伝わるように私たちは様々な工夫をします。

 

例えば、自分の得意な分野の専門的な言葉を、その内容に詳しくない人に一般的な言葉で伝えたり、子どもに伝える時に分かりやすく伝えようとしたり、時と場合に応じてため口と敬語を使い分けたりなど、私たちは母国語内でも日々言葉の言い換えをしています。

 

専門的な言葉➤一般的な言葉
難しい言葉➤簡単な言葉
ため口➤敬語

 

こうして、外国語がわからない人や翻訳に関わっていない人でも、実際は自分の母国語のなかで毎日翻訳をしています。

そしてこのプロセスは、異なる言語間の翻訳にとても似ています。

 

翻訳の仕事に携わっている人は、より質の高い翻訳ができるためには、自分の持っている語彙力を高めて、様々な単語の意味のニュアンスをしっかり理解した上で、文脈に応じて適切に言葉の選択をする必要がありますが、

こうしたスキルは日常生活の中でも円滑なコミュニケーションをするのに非常に役立ちます。

 

「翻訳と言えば、まずは外国語ができないといけない」のはもちろんですが、それと同じくらい、もしくはそれ以上に自分の母国語を知ることが非常に重要です。

 

自分の母国語の豊かさ、単語のバリエーション、意味のニュアンスをよく理解することで、自分が伝えたいこととピッタリ合う言葉が見つかりやすくなり、自己表現もしやすくなります。

 

上記を踏まえ、母国語の語彙力や表現力を磨くとともに、翻訳者が業務の中で考えることや悩むことを体験していただく機会として、3つの実践問題に取り組みました。

 

実践問題

1. 類義語をたくさん考えよう

 

 

翻訳を行う際、似たような言葉がある中で、どのような訳語が一番ピッタリ合うのかについて考えないといけないことが多いです。

 

1つ目の実践では、「9マス類語変換ゲーム」に挑戦しました。

中央のマスに言葉が一つ書かれており、残りのマスにはその言葉と似た意味の言葉を考えて書きました。

外国語ではなく、日本語の言葉でしたが、全てのマスを埋めるのが簡単ではありませんでした。

 

また、類義語でありながら、ポジティブなニュアンスを持っている言葉やネガティブなニュアンスの言葉が出てきたため、適切な言葉選びや表現力の大切さを改めて実感するワークとなりました。

 

 

2. 洋画のタイトルを考えよう

 

 

海外の映画の日本語タイトルは、もともとの英語のタイトルをローマ字表記にしただけのものが多いです。

日本語は様々な表現ができるとても豊かな言語なのに、もったいないと思い、皆さんと日本語のタイトルを考えてみました。

映画の内容を考慮しながら、また長くなりすぎないように色々工夫しながら考えました。

 

例えば、「ホーム・アローン」という有名なクリスマス映画のタイトルを、英語のままにしない名前に変えてみました。

「いたずら大作戦」、「まぬけ泥棒」、「おうち要塞プロジェクト」などたくさんの案が出ました。

 

クリエイティブシンキングが求められる問題でしたが、皆様見事にクリアしました!

 

 

3. ネイティブチェックをしてみよう

 

 

翻訳作業には様々な段階がありますが、その中の一つは「ネイティブチェック」というものです。

ネイティブの方が翻訳された文章を見て、確認する作業のことです。

 

講座では、外国語から日本語に翻訳されたテキストを見て、チェックを行いました。

表現が不自然になっているところがないのか、より適切な言葉がないのか、誤字脱字なども含めて確認しました。

 

ネイティブチェックという作業も、やはり普段何気なく使っている母国語の理解が不可欠です。

 

今回の講座は、言葉選びの難しさや母国語の理解の大切さ、表現力を磨くことのメリットについて改めて考える機会となりました。

 

天王寺駅事業所には様々なバックグラウンドや経験を持っているスタッフが在籍しており、他にもたくさんの講座があります。

 

よろしければ、当事業所の月間予定表をご確認いただき、ご興味のある講座をぜひ受けてみてください♪

 

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